
結論として軽貨物ドライバーとして、軽自動車で働いていく場合には、許可は不要です。
ですが、運送業許可をとって働いていくためには様々な条件があります。
今回は、軽貨物ドライバーとして働く際の許可の話だけではなく、運送業を始める際の許可の話までしていきましょう。
主に、以下のことについて、ご説明していきます。
- 軽貨物ドライバーの仕事には許可が必要?
- 運営業許可に必要な条件とは
上記の2点をより深く掘り下げて、解説していきましょう。
軽貨物ドライバーの仕事には許可が必要?
軽貨物ドライバーの仕事をしていく上で、許可が必要なのかどうかということを悩む方も多いはず。

では、どのようなときに許可が不要で、どのようなときに許可が必要なのかについてご紹介していきましょう。
許可が不要な場合は以下4つ。
- 軽自動車を使って軽貨物ドライバーを始める場合には許可は「不要」
- 自社の荷物を運ぶ場合には許可は「不要」
- 運賃をもらわずに荷物を運ぶ場合には許可は「不要」
- 自動二輪車を使って荷物を運ぶ場合には許可は「不要」
許可が必要な場合は以下の通り。
・賃金をもらって荷物を運ぶ場合には許可が「必要」
それぞれの場合について詳しくご説明していきましょう。
軽自動車を使って軽貨物ドライバーを始める場合には許可は「不要」
軽自動車を使って配送業を行う場合、運送業許可は「不要」です。また、他人から配送の依頼を受け、賃金をもらったとしても、軽自動車での配送ならば許可は不要。
軽自動車を使って運送業を行なっていくためには、「貨物軽自動車登録」を行い、黒ナンバーを取得して事業を行なっていくことになります。
軽貨物ドライバーとして個人で開業していく場合には、貨物軽自動車登録を行なって働いていくことが多いですし、素早く事業を始められるでしょう。
黒ナンバーについては以下の記事で詳しく解説しています。
自社の荷物を運ぶ場合には許可は「不要」
自社の荷物や製品を運んでいく場合には、運送業許可は不要です。自社の荷物や製品を運んでいくのは誰か他人に言われてするものではないので、運送業には当たりません。
ですが、注意が必要なこともあります。
自社のグループ会社の荷物を運ぶ場合に、運賃をもらってしまったのならば、運送業扱いになってしまうので注意が必要です。
運賃をもらわずに荷物を運ぶ場合には許可は「不要」
お金をもらわないで荷物を運んでいく場合には、許可は不要です。自社製品ではなく、他社の製品や荷物でも、賃金をもらわなければ運送業許可は不要ということになります。
ですが、人件費などに運賃の分も盛り込んであると税務署の監査で認定された場合には、運送業の許可が必要な運送になってしまうので注意が必要です。
自動二輪車を使って荷物を運ぶ場合には許可は「不要」
自動二輪車を使って荷物を運んでいく場合、他人からの依頼や運賃をもらって運んでいく場合でも、運送業許可は不要になります。
たとえば、バイク便などがわかりやすい例でしょうか。
バイク便を始める場合には運送業許可ではなく、「貨物軽自動車登録」を行い、事業を始めることになります。
ですが、排気量が125cc未満の場合には、「貨物軽自動車登録」も不要であるということも覚えておくとよいのではないのでしょうか。
賃金をもらって荷物を運ぶ場合には許可が「必要」
荷物を他人から依頼され、運賃をもらって運ぶ場合には、運送業許可が必要になるので注意が必要です。
運賃という名目ではないお金を貰った場合でも、運賃が含まれた金額だと判断された場合、運賃をもらって運んでいると認定され、運送業許可が必要になってしまう点には気をつけなければなりません。
運送業許可に必要な条件については、後述していきます。
運送業許可に必要な条件とは?
貨物自動車運送事業法という法律の条件を満たしていくことで、運送業許可を得ることができます。
運送業許可には、以下の5つの条件が必要です。
- 最低でも5台のトラックを準備し確保していること
- 必要な人材を揃えていること
- 一定の期間を耐えしのげる資金を確保していること
- 休憩所や事務所、駐車場を設置できること
- 法令試験の合格
それぞれの条件について、詳しくご説明していきましょう。
最低でも5台のトラックを準備し確保していること
軽自動車を除く運送業で使用する車両を最低でも5台用意しなければなりません。
売買契約書を提出できれば、購入予定の車両でも大丈夫だという点も特徴的だと言えるでしょう。
それぞれの車両の車検証の用途欄に「貨物」と記されている必要がありますので、注意が必要です。
必要な人材を揃えていること
最低でも6人、人を集めなければなりません。さらにそれぞれの人物に役割が求められます。
求められる役割は、「整備管理者1人」、「運行管理者1人」、「ドライバー5人」ですが、整備管理人とドライバーは兼任可能です。
運行管理者になる人物は、「運行管理者試験」を合格した人物でないと担当できないので注意してください。
また、雇用関係にあることは問題とはならず、許可を得た後に従業員として働いてくれる人物であるならばよいとされています。
一定の期間を耐えしのげる資金を確保していること
一定の期間を耐えしのげる資金とは、以下の通り。
・1年分の自動車税
・任意保険などの保険料
・12ヶ月分の駐車場と事務所の賃料
・運送業開業から6ヶ月間の人件費
上記の金額以上のお金が個人事業主となる人物の預貯金として個人口座にあることを、郵便局や銀行から「残高証明書」という形で発行されなければなりません。
人件費は6人分ですので気をつけましょう。また、運送業許可申請時に添付資料として「資産目録」も必要になりますので、準備してください。
休憩所や事務所、駐車場を設置できること
自己所有でも賃貸でも良いので、休憩所や事務所、駐車場を設置する必要があります。
自己所有の場合には、運送業許可を得るための添付資料として「建物や土地の登記簿謄本」、賃貸の場合には、運送業許可を得るための添付資料として「賃貸借契約書」が必要です。
賃貸の場合、さらに条件として、2年以上の賃貸契約期間が必要になりますので、気をつけましょう。
また、休憩所や事務所、駐車場にも一定の条件が必要です。休憩所とする場所は、「2.5平方メートル」の広さが求められます。
事務所の場所は、「市街化調整区域」に入っていないことが重要です。
駐車場にも規定があります。駐車場の出入り口の道路幅として、一方通行の場合には2.5mから3m以上、相互通行の場合には5.5mから6m以上必要です。
道路幅の証明には、個人の測定では認定されないので、行政書士などに調査依頼しなければなりません。
法令試験の合格
運送業許可申請の受付が終了したのちに、運輸局主催の「運送業(一般貨物)の法令試験」に合格する必要があります。
運送業(一般貨物)の法令試験を個人事業主本人が受験し、合格しなければなりません。しっかりと勉強して、突破できるように準備してください。
まとめ:「軽自動車で軽貨物ドライバーを始める場合には許可は不要!」
軽貨物ドライバーが運送業を始める上で、許可が必要なのかどうかということから、運送業許可の申請にまつわる話まで、解説してきました。
軽自動車をつかって、軽貨物ドライバーを始めていくことに許可は不要です。
ですが、黒ナンバーは取得しないといけないため、しっかりと黒ナンバーを取得して軽貨物ドライバーの仕事をしていきましょう。
人よりも早く仕事を始めることで、軽貨物ドライバーとしての仕事のチャンスを得られることも多いはず。
必要なものや軽貨物を揃えて、すぐに事業が始められるようにしていきましょう。
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